反ったレコード盤を修復する
ようやく見つけたタイトルのLP盤が,残念なことに反りありでした.プレーヤに乗せると,写真の程度浮いてしまいます.針飛びするほどではないものの,気持ち悪いのでなんとかしたいです.
修正には,適度な熱と均一な圧力が必要です.まず熱は,押入れの中で眠っていた「ズボンプレッサー」を使ってみることにしました.
レコード程度の面積を均質に暖められます.温度は最高でも55℃前後のようです.レコードは65℃くらいで軟化してしまうそうなので,うまく使えば盤にダメージを与えずにいけるのでないかという期待が持てます.
次に,均質に圧力をかける方法として,ガラス板を用意しました.このためにわざわざ買うのももったいないので,戸棚のカラス戸を一時拝借です.平らでそこそこ質量があってよさげです.
レコードを挟んでみました.サイズはぴったり!
さすがにこれだけの厚みのあるものを挟むと,ズボンプレッサーはロックできません.軽く蓋を閉じて,1kg程度の重しを乗せました.(オットマンを利用)
最初はおそるおそる.40℃以上で3分加熱とか,5分加熱とかやってみましたが...
かんばしい結果が得られませんでした.
ええいままよと,ズボンプレッサーの温調機能フル活用(つまりは放置)でやってみました.どうもこの製品は,最高温度55℃くらいで,15分程度で電源が切れるようです.
電源が切れたあとも,そのまま重しをかけて余熱で1時間ほど自然冷却しておきました.結果は...
みごと,完全修復です!! ばんざーい,ばんざーい.音質も,聴くかぎりでは特に影響もなく,大成功でした.
了
※このためにわざわざズボンプレッサー買う人もいないと思いますが一応^^
クッキング温度計は,1本あるとなにかと便利です.
レコード スタンド の代用品
レコードの洗浄をしたとき,しばらく乾燥させたいことがあります.世の中には専用のスタンドが市販されているのですが,たいてい何千円もしてそこそこ高価です.代用になりそうなものを物色して,ダイソーでこんなものを見つけました.
食器売り場にあった,「いろいろ使える多目的スタンド」という商品です.普通は,お皿とかまな板とかを立てるのに使うもののようです.もちろんお値段は¥108です.
ためしに買って,LPレコードを立てかけてみました.
いい感じです!レコードの下部はちゃんと浮いています.
裏面はというと,
フレームはちょうどレーベルの位置に当たって,記録面に触れません.
一度に3枚しか立てられませんが,もっと枚数必要であれば数を買えばOKです.使わないときも,それほどかさばらないので方付けやすそうです.
了.
レコード・クリーニング用の回転台を作る
古いLPレコードを清掃するには,液体を使う上に,ふき取りなどでそれなりに力を加えることになる.これをプレーヤーのターンテーブルで行うと,ターンテーブルの機構を痛めてしまいそう.そんなわけで,クリーニング用の回転台を作ることにした.
ベースはこれ,テレビ用の回転台.直径40cmのものを入手した.
そのままでもよいのだが,クリーニング中にレコードが横ずれしないように,中央に軸をつけることにした.LPレコードの中心穴は直径がおよそΦ7mm.これには,組み立て家具などによく使われている,棚ダボという金具を使うことにした.太い側がΦ7mm,細い側がΦ5mmのものを購入.
回転台に,棚ダボを差し込むためのΦ5mmの穴をあける.この回転台,裏からねじ止めされているので,それをいったん外し,分解してから穴をあけて,再び組み立てる.
あとは棚ダボを挿し込むだけ...といきたいところだか,回転台裏面からのネジが邪魔をして,案外深さを取れない.しかたがないので棚ダボの細い側を長さ5mmほど残して切断.これがこの工作で最大の難関.電動工具がない場合は,少なくとも万力と金ノコは必須.細かい作業なので,くれぐれも怪我のないように注意されたい.
直径Φ5mmの棚ダボの軸は,直径Φ5mmの穴にはややきつめで,金づちで軽く打ち込む必要があった.そんなに強度が要るわけでもないので,特に接着剤とかは使わなかった.もしゆるい場合は,軽く接着剤を使うとよいと思う.
回転台そのままではレコードに傷がつくかもしれないので,保護シートとして不織布を使うことにした.ワイプオールというもので,キムワイプよりも吸水性が高いので気に入っている.レコードを清掃するときに飛び散った液体も,うまく吸い取ってくれそう.サイズは「335x343mm 四つ折り」というもの.
4つ折りにした状態で,開いた時の中央にあたる部分をパンチで切り抜く.
切り抜いた穴を棚ダボで作った軸に合わせて,回転台にかぶせて完成.ワイプオールは汚れたら使い捨てする構造なので,特に固定はしない.
レコードを掃除するときはこんな感じ.廉価に作れて使いやすい.クリーニング液なども,スプレーし放題だ.
材料はすべてAmazonで入手した.
了
追記:クリーニング液をスプレーするとき,ラベルを保護するのにはダイソーで売ってる「置くだけラップ蓋」が便利.10cmのものがぴったり.
スイッチング電源のノイズを減らす
半導体アンプを作ろうと思っているのだけど,スイッチング電源でなんとかしたいと思っています.そこで簡単なフィルタを組んで實驗してみました.
回路はこんな感じ.
コモンモードチョークは手持ちのもの.計測してみると,10kHzで4mHほどでした.トロイダルコイルは実測で115uH.コモンモードチョーク前後のコンデンサは,100uFがOSコンで100nFが積セラ.DC出力側は100uがニチコンKZ,100nはメタライズドフィルムにしました.直接アンプにつながる部分には積セラは使いたくないので.
10Pのラグ板に実装してみました.
使用するスイッチング電源は,秋月で購入のAdapter Technology製12V5A ATS065-P120というものです. http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-06961/
選択理由は,スペック上のリップル値がmax 120mVと低かったことによります.
まずは生の状態で計測してみます.負荷は60Ωで,200mA流した状態です.
リップルは40mVほど,スパイクノイズが100mVppといったところでしょうか.けっこう優秀です.リップル周波数も50KHzと高いので,このまま使えそうな感じです.
次に,フィルタを通した状態です.50mV/divレンジでは観測できません.
5mV/divレンジでようやくノイズが見えます.他は,まれにスパイクノイズが乗る程度でした.
これなら,オーディオパワーアンプに使ってもいいのでないかという気がします.
了
基板撮影箱を作る
教材用にプリント基板を撮影したいことがしばしばあります.そんなおり,しなぷすさんという方の製作記事を見つけました.さっそく,まねっこして作ってみました.
基板専用の撮影ボックスを作った | しなぷすの独り言
まずは,光源のLEDテープ.5m巻きのものが,amazonでなんと210円だったりします.もちろん税込み送料込みです.
次にケースです.参考にさせていただいた記事ではタッパーウェアのようでしたが,近所の百均で手ごろな大きさのパンケースを発見したので,これを利用することにしました.
内周にLEDテープを3周まきつけ.余ったLEDテープは切断します.電源はDC12Vなので,ACアダプタが使えるようにコネクタを装着します.
乱反射防止のため,底に紙を敷いて完成.
基板を入れて,LEDを点灯させるとこんな感じです.明るさは十分ですが,ちょっと色調が黄色に傾いているような.まあこのあたりはPhotoshopとかで補正可能ではあります.
実際の撮影結果.
まずはデスクライトの場合.どうしてもハイライト部分や,影ができてしまいます.
次が今回の撮影ボックス.色調は補正しましたが,まずまずの結果です.1点,マイコンに貼ってあるシールが,少し飛び気味なのが残念です.もう少し光量を落としたほうがいいかなあ.
もう少しだけ,調整が必要なようです.
了
MDプレーヤを開けてみた
かつてこの世界には,MDという録音再生メディアがあった.
そんな中,Pioneerが持てる技術を大いに投入して作ったプレーヤがMJ-D7.特別な処理で,MDのがさつく音を滑らかに再生する名機だった.しかし市場投入次期が遅かったため,性能のわりに市場価格は低かった.
もう何年かぶりに触ってみたら,ディスク読み込みの挙動がおかしい.ディスク入れても回転しなかったり,EJECT押しても出てこなかったり.何度がリトライするとうまくいくのだけど.
さらには,筐体カバー部が軽くウレタン塗装されていたようで,例によってネバネバ.ということで,まずはシャープシューターとスポンジで洗ってみた.最後に水洗いしてキムタオルで拭き上げ.ほぼ新品状態になった.
次にメカ部を見たのだけど,残念ながら目視でわかる範囲に不具合らしきものは見つからず.ただ,何回かディスクの出し入れを繰り返していたら,エラーの頻度はずいぶん下がった.ので,まあこれでよしとするかといったところ.
ついでなのでいろいろ観察.電解コンデンサは,電源系には日ケミのKMG,信号系にはニチコンのファインゴールド.限られた予算の中でよく考えられている気がする.
音声出力はこの時代のスタンダード,NJM4580D.このあたり,いろいろ交換してみたくなるけど,MDにそこまで投入してもなと思いとどまる.
あと,電源コネクタは3Pなんだけど,GNDは接続されてないのね..これは接続したほうがいいかどうかは場合によるので,一概に手抜きとは思えない.
再組み立てして,宇多田ヒカルとか鳴らしてみた.ああ,MDの音だなあって思うけど,それなりによく再生してくれる.またすねるといけないので,たまにはかまってあげないといけないかなあ.
ということで,ぜんぜん工作じゃない話でした.
了
AES/EBU(XLR)とSPDIF(RCA)を変換する
リビングのオーディオにSUNVALLEYのSV-192SというDAコンバータを使ってる.出力が12AU7の管球バッファになってて,面白い製品.
入力がいくつか選べるのだけど,XLR端子を使ったAES/EBUというマニアックなのが1チャネル付いている.しかし手持ちのディジタル出力物は,みな同軸(か,光).宝の持ち腐れ状態になっていた.
なんとか変換して活用したい! ということで,見つけてきたのがこれ,カナレのBCJ-XP-TRCという,デジタルオーディオ用インピーダンス変換器.
これで基本的には解決のはずなのだけど,いかんせん同軸側のコネクタがBNC.
ということで,BNC-RCAというケーブルを作った.これは,市販の両BNCの75Ωビデオケーブルの片側をRCAプラグに付け替えたもの.
カナレの変換器をつけると,こんな感じ.
なかなかごっつい!信号レベルとか確認してないのだけど,手持ちのプレーヤーで試したところ,問題なく音は出た.
このカナレの変換器は,単に内部結線でうまいことしてるわけでなくて,ちゃんとトランスを内蔵しているらしい.そういう意味では,プレーヤとDAコンバータのアイソレーションにも効果があるかもしれない.
なにはともあれ,使える入力チャネルがひとつ増えてめでたい.
了