TU-8500にオイルコンデンサを投入してみる
オイルコンデンサというコンデンサがあります.オイルを染ませた紙を誘電体に使ったコンデンサです.日本では,オイルペーパコンデンサともいいますが,英語ではPapar in Oil Capacitor,通称PIOキャパシタと呼ぶようです.
音質に優れるようなので試してみたいところですが,かなり高価です.そんな中,旧ソ連で軍用に作られていたストックなら,廉価に入手することができます.
入手したのは,K40Y-9という製品の0.47uF/200Vです.ガラスで封入して金属ケースで覆った,とても頑丈そうなコンデンサです.
長年倉庫で眠っていた製品なので,よくチェックします.最初はショートしていないかのテスト.マルチメータの抵抗モードで調べます.この写真の表示は,測定限界以上の抵抗値であることを示しています.(数十MΩ以上)
次に容量チェック.どちらもほぼ0.45uFと定格値どおりでよく揃っていました.(定格値は0.47uF±10%)
最後に,外側の電極がどちらの端子かあたりをつけます.
コンデンサの両端をオシロスコープにつないで,コンデンサを手で持ちます.GNDとプローブをつなぎ換えて,電圧の大きいつなぎ方のときに,プローブ側の端子が外側の電極である可能性が高いと思います.
実装時は,外側の電極につながった端子を,電圧の低い側に使います.
とりあえず実験なので,ソケットを実装したTU-8500にささるように,このようなアダプタ形状にしてみました.
TU-8500に取り付けたところです.
オイルコンデンサは,エージングに100時間ほどかかると言われています.
装着直後は,音ががさついて,女性ボーカルがひずみっぽく聴こえる場面もありました.10時間ほど鳴らしこむと,それらの現象はなくなり,まずまず滑らかな音になりました.さて,このあとどのように音質が変わっていくでしょうか.楽しみです.
了