SV-192Sを改造する その3
前回までの改造にさらに次の変更を実施した.
・オペアンプU2(NJM2114)周辺の4つの100kΩ(R28,29,32,33)は,すべて68kΩに変更.
・DACの電源コンデンサC102を,100uFから560uFに増量.使用したのは日本ケミコン APSE6R3ELL561MF08S 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 6.3V 560μF.192KHzでの音痩せを軽減できないかというのが目的.
・そして,MONITOR OUTの不平衡出力(RCA)をドライブしているオペアンプU4の交換をしてみた.
もとのNJM2114から,MUSES03に変更.MUSES03はチップ当たり1回路なので,2個を変換基板に乗せて実装.
当初は高音の伸びがいまひとつに感じられたけど,ぐんぐんと良くなってきた.2114よりも低音は出る.高音は少し響きが感じられる.これはもともと入ってた響きがきちんと再生されているということなのかも.中音域は案外すっきりしている様子.
ここまでの改造で変わったこと
・元に比べて音の雑味が減った(と思う).
・音場のほぐれぐあいが改善した(ように感じる).
・全体的に,気持ちの良い音方向に進んだ.高い方も低い方も,自然に伸びる感じ.
・192KHzでの音痩せ対策はまずまず効果あったように思う.このあたりはもう少し通電してみてどうかというところ.
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→追記:かなり効果があった.192KHzで音痩せするのがSV-192Sの弱点だったけど,払拭されたと思う.他はともかく,C102はKMGの100uFから,ESRの低い大容量のものに交換するのが良い.今回は日本ケミコンの導電性アルミ電解で6.3V 560uFを使用.これは元のKMG100uFと足の幅が同じなので差し替えやすい.この後,アップサンプリングの設定は192KHz固定で聴くようになった.
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ということで,それなりに満足のいく結果となった.NJM2114かMUSES03かは,もう少し鳴らしこんでから結論を出そうと思う.かなりキャラクターは違うものの,良し悪しというより,好き好きな気もする.
追記
試聴していたら,中高音はくっきりしているのに,中低音が妙に芯のない音で気持ち悪かった.たぶん古いBGコンデンサが原因と思い,元のノーマル品に戻したら解決した.具体的には,真空管の電源回路でブラックゲート150uFに交換していたやつを,元に戻した.
あと,DACチップのアナログ電源に使ったブラックゲート330uF+KMG100uFも,ニチコンのPW1000uFに置き換えた.PWはスイッチング電源用とされているが,とても素直でよい特性を持っているように思う.
現在いろいろ試聴中.解像度が高いのに角が立ったりはしていないという,よい音色になったと思う.MUSES03は,NJM2114に比べて,当初は音色の好き好きの問題と思っていたが,再度NJM2114を挿してみたらこれはもう元(2114)には戻せないと思った.MUSES03は,ボーカルが驚くほどリアルで,眼前で歌っている錯覚をするくらいと言ったら言い過ぎかな.
了