半導体チェッカを入手してみた
PEAK electronic design社の「Atlas DCA Pro - Model DCA75」という半導体チェッカを入手してみた.http://www.peakelec.co.uk/acatalog/dca75-dca-pro.html
トランジスタ類は,思いの外特性にバラツキが多い.あと,知りたい特性が必ずしもデータシートに載っているとは限らない.そんなこともあって,ときどきチェックツールが欲しくなることがあるのが入手理由.
さてこのDCA75,トランジスタ,FET(ジャンクション,MOS),ダイオード(LEDや複合回路,ツェナーも含む),IGBT,トライアック,さらには3端子レギュレータもチェックできる.しかも驚いたことに,それらは自動判別だ.半導体の種類だけでなく,その端子まで自動判別する.これなら,ジャンクから外した謎の半導体も,再利用の道が開ける.
とりあえず,なにかのキットに入ってた謎の(多分中国製)トランジスタをチェックしたみた.画面には,
1.NPN型のシリコン・バイポーラ・ジャンクション・トランジスタであること
2.赤リードにつながってるのがエミッタ,緑がコレクタ,青がベース
3.Hfeが324
といった情報が出る.スクロールすると,さらにいろいろな情報が読めるのだけど,実はこのDCA75はPCに接続してPCに特性を表示させることもできる.
これがNPNトランジスタをつないだ時の1ページ目.Vbeも出るが,残念なことに現状のバージョンではIbが5mA固定になってる.これはなんとかしてほしい所.
2頁目以降は,なんとカーブトレーサ機能があって,ここではIbごとにVce-Ic特性が出る.こんなの,ひと昔前はメーカの実験室にしかなかった.
3頁目はIbごとのVce-Hfe.HfeはIbにはあまり影響されないことがわかる.
4頁目はVceごとのIc-Hfe.この素子は,Vceが4V以上あれば,HfeはあまりIcに影響されないようだ.
ちなみにLEDを計測してみるとこんな感じ.5mAのときのVfが出て,これはなかなか使い出がありそう.
ちょっといじわるして,自動点滅型のLEDを計測してみた.
さすがにそこまでは判定できず,なんとツェナーダイオードと勘違いした.
ファームウェアのAPIを公開してくれるといいのに.きっと世界中の好き者が,もっといいアプリを作ってくれるはずで,そうすればこの装置ももっと売れるかもしれない.
民生用の組込み機器では,メーカはアプリケーションについてはサンプル程度にしておいて,APIをとっととオープンにしちゃうのがいいと思う.そのほうが開発コストも減らせる上に,売り上げも押し上げることができるのでないかな.