Tachi technical blog

工作とか技術関連の話題を書いていきます

SV-192Sを改造する その2

SV-192Sを改造する - Tachi technical blog で,DAコンバータチップから真空管バッファ回路までのブラッシュアップをしてみたのだけど,試聴の結果は真空管回路直出しのLINE OUTよりOPアンプバッファを通したMONITOR OUTのほうが好ましい音質(個人の意見ですw)というものだった.

こうなると,OPアンプ回路周りもちょっと手を入れてみたくなる.なによりも,ボリュームが介在するのをなんとかしたいところ.

 

f:id:Tachi_4423:20171125194934j:plainまずは真空管回路近くのこのOPアンプから.真空管回路出力は,まずこのOPアンプ(U2)に入って,そこからレベルメータ,ヘッドホン,MONITOR OUT と,それぞれの回路に分岐するしくみ.

高周波カットの10pFがディスクセラミックでなんとなく気にはなるが,それほど音質への影響はないだろうと今回は放置.

それよりも,ここではおよそ4倍の増幅をしており,そのままだと少し出力レベルが大きくて,アンプでボリュームを絞らねばなかった.そこで,帰還抵抗を100kΩから68kΩに下げた.U2への入力時点で0.75倍,U2で約3倍,U4への入力で0.5倍となり,合計で約1.1倍の増幅度になるはず.R29とR33がそれにあたる.本来は入力の100kΩも68kΩに変更した方がいいはずだが,今回は手を入れなかった.

あと,OPアンプの電源回路には,KMGの100uFと積層セラミックの0.1uFが±両側に入っています.KMGはそのまま,積層セラミックをフィルムコンデンサPanasonic ECHU)に変更した.

 

f:id:Tachi_4423:20171125194925j:plain 次に,ボリュームをバイパスさせます.右チャネルは,U2の7番ピンから出力して,C41(3.3uF)を経てボリュームを通り,R45(47kΩ)を経てU4のOPアンプに入っている.そこで,R45の入力側を持ち上げ,ここにC41の出力を直接入れる.これでボリュームをスルーする.同様に左チャネルは,R41の入力側を基板から外し,そこにC41の隣の3.3uF(記号失念)の出力から接続する.

 

U4についても,電源回路のバイパスコンデンサの積層セラミックを,ECHUに交換した.あと,U2とU4両方ともソケットに変更しておいた.そのうち交換したくなるかもしれないので.ただ,音色の特色づけは真空管で行っているので,ここはすんなり色づけせずに通すのが良さそう.そういう意味では,NJM2114は過不足ないと思われる.

 

これでMONITOR OUTは,ボリュームを介在しなくなりました.試聴の結果は,いまのところかなり満足しています.

 

 

SV-192Sを改造する

 サンバレー製のDAコンバータSV-192S.DDコンバータを内蔵していたり,出力が真空管(12AU7)のバッファになっていたりの楽しい逸品.気に入ってずっと使ってきたのだけど,少し音質の傾向を変えたくなって改造してみることにした.今回は全部で6項目の改造を行った.

 

f:id:Tachi_4423:20171123235914j:plain SV-192Sは,DDコンバータ基板とDAコンバータ&アナログ基板の2枚構成.今回はアナログ基板側のみを改造する.基板を取り外すためには,裏面のコネクタ固定のネジと,前面パネルを取り外す必要がある.さすがキットで培ったノウハウか,すっきりした構造で分解はそんなに大変ではない.

【その1】
f:id:Tachi_4423:20171124000447j:plain ひとつめの改造ポイントはこれ,出力のカップリングコンデンサ.Tk印なので東新工業製でしょうか.ポリエステルフィルム・コンデンサ.悪くはないけど,良くもない中庸の印象.高耐圧で10uFという大きなものが必要.

f:id:Tachi_4423:20171124000751j:plain交換用のコンデンサ.世の中,上を見るときりがないので,そこそこの値段で買えて音質に期待できるASCのものにした.材質はポリプロピレン・フィルム.
耐圧は,元の部品は250Vだけど,実測してみると実際にかかる電圧は140V程度の模様.ちょうど200V耐圧で10uFの製品があったので,それを採用することとした.

f:id:Tachi_4423:20171124003830j:plain実装するとこんな感じ.でかい,ひたすらでかい.

 

【その2】
f:id:Tachi_4423:20171124001102j:plain SV-192Sでは,DAコンバータチップ(DSD1796)をライントランスでIV変換しつつ真空管回路に接続するという巧いやりかたをしている.そのライントランスの二次側に,たぶん高域の暴れを抑えるフィルタであろうコンデンサが付いている.これも一見ポリエステルフィルム.経験上,この形のコンデンサは良い音がしない.

f:id:Tachi_4423:20171124001606j:plain
手持ちに,たぶんニッセイのAPSポリプロピレン)と思われる同容量(3300pF)のものがあったので交換.

【その3】
f:id:Tachi_4423:20171124001756j:plain DAコンバータチップ周り.なぜか,デジタル回路の電源には通常のKMG,アナログ回路の電源にはOSコンデンサが使われていた.逆じゃないかと思うのだけど,何かしら理由があったのかもしれない.
とりあえずデジタル回路用(C102)はOSコンデンサに変更.アナログ回路用は悩んだ末に今回はそのままにした.それぞれのコンデンサには,0.1uFのコンデンサを並列に付けるようデバイスマニュアルで推奨してあって,SV-192Sでもそれは守られている.ただ,使用してあったのが積層セラミック.デジタル回路用はともかく,アナログ回路にそれはなかろうってことで,すべてチップタイプのフィルムコンデンサ(PPS)に変更した.PanasonicのECHUというシリーズのもの.

 

【その4】
f:id:Tachi_4423:20171124002911j:plain DSD1796のアナログ回路への電源供給回路.ごく普通の三端子レギュレータの回路.出力側にはニチコンの通常品の470uFが装着してあった.たまたま手持ちに,伝説のコンデンサBlackGateの330uFがあったので投入してみた.容量的に減るものの,消費電流からいって問題ないとは思ったのだけど,念のため100uFを並列に入れておいた.これは日ケミのKMG.クセがないので悪影響はないだろうとの期待.


【その5】
f:id:Tachi_4423:20171124003322j:plain 真空管バッファ回路への電源回路の最終コンデンサを変更.これまた,たまたま手持ちにBlackGateの350V150uFというレア中のレアものがあったので,交換してみた.

 

【その6】

f:id:Tachi_4423:20171124092807j:plain電源トランス周辺.交流が流れる線は,ツイストさせておきたい.オリジナルはゆるく束ねただけで,しかもパネルへの信号配線といっしょくた.ここにはPWMのパルス波も流れているので,少なくとも精神衛生上よくない.

f:id:Tachi_4423:20171124093111j:plain交流電源はペア同士ツイスト.パネルへの信号線はスパイラルチューブでかるくまとめて,電源ラインとは離した.

f:id:Tachi_4423:20171124003458j:plain 以上で今回の改造はすべて終わり.
とりあえず音楽を流しっぱなしにしてエージング中.20~30時間くらいしたら,きちんと試聴してみようと思う.数時間動かした状態では,以前より透明感と立体感が出たかな?という感じ.なにかやったあとは,良くなってるはずバイアスもかかってるので,試聴はやはりしばらくしてからがよさそう.

 

追記:20時間経過後の試聴
・192kHzで音痩せしなくなった.非常によい.もう入力のサンプリング周波数に関係なく,変換後を192kHz固定で行けそう.

・LINE OUTの音がはっきりしない.いい意味ではベルベットのようにやわらかなのだけど,個人的な趣味としては,柔らかいながらもくっきりしていてほしい.
もともとそういう傾向があって,そこを改善したかったのだけど,よけいにそちらに進んでしまった感じ.

・一方でモニター出力がとてもいい.ただしそれはボリューム最大にしてのこと.少しでも絞ると,もやつく.

・想像ではあるけど,LINE OUTでラインをドライブできていないのでないかな.普通のカナレの同軸と,管球プリなんだけど.OPアンプ1段入れることでそれが改善しているような感じ.

・それで,モニターアウトで聴く192kHzアップサンプリングの音は.
 -透明感アップ.高音域に伸びがあるけど,決して耳障りでない.
 -適度にくっきりしているけど,聴き疲れない
 -中音域もまずまず良好
 -低音は増えた気がする

 遠藤響子 ホッチキス. ボーカルが明瞭に浮かび上がって,ピアノの少し湿った感じがよく出ている(録音時の前日は雨)

 小田和正 自己ベスト. 広めの音場ときれいな高音がやわらかすぎず再生.

   :

このような結果で,改造はまずまずうまくいった感あり.
ただし,モニターアウトを常用するなら,OPアンプ周りもちょっと手を入れたいところ.これはまた次回に.





アンプのコネクタを交換する

SONYの小型アクティブスピーカ,SRS-Z1PC.1999年発売.このツィータのような小さなユニットから,けっこうなまっとうな音が出る.しかも点音源に近いせいか,定位がいい.

f:id:Tachi_4423:20171118234511j:plain

しばらくしまってあったのをひきずり出したのだけど,案の定コネクタが劣化してしまっていた.

f:id:Tachi_4423:20171118234910j:plain

入力はもちろんながら,スピーカもΦ3.5のミニジャックで接続する仕様.掃除はしてみたものの根本解決には至らず.これはもう,交換するしかない.

f:id:Tachi_4423:20171118235031j:plain

探した結果,マル信無線電機のMJ-1835が近い形状で入手できることがわかった.上の写真で左がMJ-1835,右がSRS-Z1PCで使用されているもの.

f:id:Tachi_4423:20171118235256j:plain

外径が少し小さいのと,取り付け面からジャックの穴までの高さがかなり違う.
ので,取り付け時に少し浮かしてやる必要がある.

f:id:Tachi_4423:20171118235821j:plain

御開帳.いつもながらSONY製品はネジが多い.よい部品が投入してあったり,天井に鉄板がはいっていてアースとってあったりと,設計者のこだわりが感じられる.ちなみにボリュームのガリは皆無.

f:id:Tachi_4423:20171118235440j:plain

なんとか位置合わせして取り付け完了.筐体の穴とジャックとの間に隙間ができてしまったけど,背面で普段は見えないのでまあいいかというところ.

無事,安定して鳴るようになった.
本来はニアフィールド用なのだけど,少し離れた場所でBGM用に使っても案外よい.

コネクタの入手先:千石電商
とりあえず現時点でのURL:マル信無線電機 MJ-1835 3.5Φステレオ 基板用ジャック

 

 

 

反ったレコード盤を修復する

ようやく見つけたタイトルのLP盤が,残念なことに反りありでした.プレーヤに乗せると,写真の程度浮いてしまいます.針飛びするほどではないものの,気持ち悪いのでなんとかしたいです.

f:id:Tachi_4423:20170910154715j:plain

修正には,適度な熱と均一な圧力が必要です.まず熱は,押入れの中で眠っていた「ズボンプレッサー」を使ってみることにしました.

f:id:Tachi_4423:20170910155146j:plain

レコード程度の面積を均質に暖められます.温度は最高でも55℃前後のようです.レコードは65℃くらいで軟化してしまうそうなので,うまく使えば盤にダメージを与えずにいけるのでないかという期待が持てます.

次に,均質に圧力をかける方法として,ガラス板を用意しました.このためにわざわざ買うのももったいないので,戸棚のカラス戸を一時拝借です.平らでそこそこ質量があってよさげです.

f:id:Tachi_4423:20170910155521j:plain

レコードを挟んでみました.サイズはぴったり!

f:id:Tachi_4423:20170910155556j:plain

さすがにこれだけの厚みのあるものを挟むと,ズボンプレッサーはロックできません.軽く蓋を閉じて,1kg程度の重しを乗せました.(オットマンを利用)

f:id:Tachi_4423:20170910155728j:plain

最初はおそるおそる.40℃以上で3分加熱とか,5分加熱とかやってみましたが...

f:id:Tachi_4423:20170910155851j:plain

かんばしい結果が得られませんでした.

ええいままよと,ズボンプレッサーの温調機能フル活用(つまりは放置)でやってみました.どうもこの製品は,最高温度55℃くらいで,15分程度で電源が切れるようです.f:id:Tachi_4423:20170910155957j:plain

電源が切れたあとも,そのまま重しをかけて余熱で1時間ほど自然冷却しておきました.結果は...

 

みごと,完全修復です!! ばんざーい,ばんざーい.音質も,聴くかぎりでは特に影響もなく,大成功でした.

f:id:Tachi_4423:20170910160131j:plain

 

 

※このためにわざわざズボンプレッサー買う人もいないと思いますが一応^^
 クッキング温度計は,1本あるとなにかと便利です.

 

 

 

 

 

 

 

レコード スタンド の代用品

レコードの洗浄をしたとき,しばらく乾燥させたいことがあります.世の中には専用のスタンドが市販されているのですが,たいてい何千円もしてそこそこ高価です.代用になりそうなものを物色して,ダイソーでこんなものを見つけました.

f:id:Tachi_4423:20170831162001j:plain

食器売り場にあった,「いろいろ使える多目的スタンド」という商品です.普通は,お皿とかまな板とかを立てるのに使うもののようです.もちろんお値段は¥108です.

ためしに買って,LPレコードを立てかけてみました.

f:id:Tachi_4423:20170831162159j:plain
いい感じです!レコードの下部はちゃんと浮いています.

裏面はというと,

f:id:Tachi_4423:20170831162238j:plainフレームはちょうどレーベルの位置に当たって,記録面に触れません.

一度に3枚しか立てられませんが,もっと枚数必要であれば数を買えばOKです.使わないときも,それほどかさばらないので方付けやすそうです.

了.

レコード・クリーニング用の回転台を作る

古いLPレコードを清掃するには,液体を使う上に,ふき取りなどでそれなりに力を加えることになる.これをプレーヤーのターンテーブルで行うと,ターンテーブルの機構を痛めてしまいそう.そんなわけで,クリーニング用の回転台を作ることにした.

 

ベースはこれ,テレビ用の回転台.直径40cmのものを入手した.
f:id:Tachi_4423:20170226134338j:plain

 

そのままでもよいのだが,クリーニング中にレコードが横ずれしないように,中央に軸をつけることにした.LPレコードの中心穴は直径がおよそΦ7mm.これには,組み立て家具などによく使われている,棚ダボという金具を使うことにした.太い側がΦ7mm,細い側がΦ5mmのものを購入.
f:id:Tachi_4423:20170226134502j:plain

 

回転台に,棚ダボを差し込むためのΦ5mmの穴をあける.この回転台,裏からねじ止めされているので,それをいったん外し,分解してから穴をあけて,再び組み立てる.f:id:Tachi_4423:20170226134446j:plain

 

あとは棚ダボを挿し込むだけ...といきたいところだか,回転台裏面からのネジが邪魔をして,案外深さを取れない.しかたがないので棚ダボの細い側を長さ5mmほど残して切断.これがこの工作で最大の難関.電動工具がない場合は,少なくとも万力と金ノコは必須.細かい作業なので,くれぐれも怪我のないように注意されたい.f:id:Tachi_4423:20170226134854j:plain

 

直径Φ5mmの棚ダボの軸は,直径Φ5mmの穴にはややきつめで,金づちで軽く打ち込む必要があった.そんなに強度が要るわけでもないので,特に接着剤とかは使わなかった.もしゆるい場合は,軽く接着剤を使うとよいと思う.f:id:Tachi_4423:20170226135043j:plain

 

回転台そのままではレコードに傷がつくかもしれないので,保護シートとして不織布を使うことにした.ワイプオールというもので,キムワイプよりも吸水性が高いので気に入っている.レコードを清掃するときに飛び散った液体も,うまく吸い取ってくれそう.サイズは「335x343mm 四つ折り」というもの.f:id:Tachi_4423:20170226135242j:plain


4つ折りにした状態で,開いた時の中央にあたる部分をパンチで切り抜く.f:id:Tachi_4423:20170226135445j:plain

 

切り抜いた穴を棚ダボで作った軸に合わせて,回転台にかぶせて完成.ワイプオールは汚れたら使い捨てする構造なので,特に固定はしない.f:id:Tachi_4423:20170226135540j:plain

 

レコードを掃除するときはこんな感じ.廉価に作れて使いやすい.クリーニング液なども,スプレーし放題だ.
f:id:Tachi_4423:20170226135747j:plain

 

材料はすべてAmazonで入手した.

 

 

追記:クリーニング液をスプレーするとき,ラベルを保護するのにはダイソーで売ってる「置くだけラップ蓋」が便利.10cmのものがぴったり.

f:id:Tachi_4423:20170226161816j:plain

f:id:Tachi_4423:20170226161827j:plain

 

 

スイッチング電源のノイズを減らす

半導体アンプを作ろうと思っているのだけど,スイッチング電源でなんとかしたいと思っています.そこで簡単なフィルタを組んで實驗してみました.

回路はこんな感じ.

f:id:Tachi_4423:20170119225225p:plain
コモンモードチョークは手持ちのもの.計測してみると,10kHzで4mHほどでした.トロイダルコイルは実測で115uH.コモンモードチョーク前後のコンデンサは,100uFがOSコンで100nFが積セラ.DC出力側は100uがニチコンKZ,100nはメタライズドフィルムにしました.直接アンプにつながる部分には積セラは使いたくないので.

 

10Pのラグ板に実装してみました.

f:id:Tachi_4423:20170119225737j:plain

使用するスイッチング電源は,秋月で購入のAdapter Technology製12V5A ATS065-P120というものです. http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-06961/
選択理由は,スペック上のリップル値がmax 120mVと低かったことによります.

 

まずは生の状態で計測してみます.負荷は60Ωで,200mA流した状態です.

f:id:Tachi_4423:20170119230748j:plain
リップルは40mVほど,スパイクノイズが100mVppといったところでしょうか.けっこう優秀です.リップル周波数も50KHzと高いので,このまま使えそうな感じです.

次に,フィルタを通した状態です.50mV/divレンジでは観測できません.

f:id:Tachi_4423:20170119231027j:plain

5mV/divレンジでようやくノイズが見えます.他は,まれにスパイクノイズが乗る程度でした.f:id:Tachi_4423:20170119231108j:plain

これなら,オーディオパワーアンプに使ってもいいのでないかという気がします.