Tachi technical blog

工作とか技術関連の話題を書いていきます

108円で無線LANの飛距離を伸ばす

バッファロー無線LAN中継器WEX-733Dが不調.

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突然動作を停止.しばらく休ませて電源再投入すると復活するも,1週間くらいで再発というのが,もう3ターン続いている.購入して約半年.こういうのはどうせ修理に出しても,再現しませんで挿し戻されるのが関の山.所詮はメルコかと毒づきながら,次善の策を考えてみた.

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100均一にてこれを購入.あく取りである.これで,小さなパラボラ反射器を作って設置してみようと.

 

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柄の部分をちょいと曲げて,無線ルータの上部に設置.はたして効果はあるのか!?

 

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パラボラ設置前.奥の寝室では-70dBm. (Nexus7(2013)+Wifi Analyzer)

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設置後.おお!-60dBmと,10dBmも改善してる.

なによりこの方法,中継器とちがってランニングコストがかからないのがいい.しばらくこの状態で運用してみる.

 

エレキットのプリアンプTU-8500を作る 【その5】

本来は十分に慣らし運転をしてからやるべきなのですが,待ち切れず(笑),半日(5時間)ほど動かした状態で,真空管の聴き比べをしてみました.とりあえず手持ち分だけです.

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まずは附属の中国製12AU7.見た目の第一印象はいまいちだったのですが,しごくまっとうな音がしました.ノイズも少なくて優秀です.(聴感の)周波数レンジ感は狭めです.穏やか~に音楽を聴くには,これはこれでよさそうです.

 

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GEの5963です.12AU7と互換ですが,プレート電圧の制限があります.TU-8500の回路であれば,まったく問題ありません.
附属12au7からこれに変えると,いきなり高域がぐんと伸びて驚きます.やや腰高感があるものの,きれいな音色に魅了されます.ただ,エージング不足のせいか,少し聴き疲れするような気もしました.いつか時間をかけて再チャレンジします.

 

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秘蔵(笑),RCAのブラックプレート12AU7です.SV-192Sという管球DAコンバータに使ってとてもよかったので期待大でしたが,今回もそれは裏切られることはありませんでした.笑っちゃうくらいいい音です.
ただ,残念なことに1本がノイズ品.泣く泣く今回は見送りました.

 

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最後はシルバニアの5814Aです.これは12AU7の高信頼管です.
低域がやや緩い気もしなくはないですが,RCAの12AU7に負けないくらい,透明感あるいい音がします.ということで,今はこれを使っています.

 

【交換時の注意】
海外のレビューなどでは,5965Aがよい音と評価しているサイトもあります.この5965Aは12AU7ではなく12AT7に近い真空管です.
たとえ電気的特性がどうであろうと,耳で聴いていい音であればよいというのは,ある意味真理ですが,どうしても無視できない問題があります.
5965Aは,定格でヒータ電流が225mA流れます.2本で450mAです.TU-8500の電源回路では,ヒーター電流のほとんどがR61という15Ωの抵抗を通ります.450mA流れたときの,R61の消費電力は,0.45x0.45x15=3Wに達します.通常,抵抗の許容電力は,実際の消費電力の2倍から3倍必要とされます.R61の許容電力は5Wですから,好ましい状況とは言えません.
ちなみに12AU7の場合は2本で300mAですから,0.3x0.3x15=1.35Wであり,まったく問題がありません.上で書いた5814Aは,定格では2本で350mA流れますが,TU-8500の回路では300mAしか流れないので,大丈夫です.

真空管を交換する場合は,ネットに散在する情報をうのみにせず,少なくともデータシートでヒータの消費電流くらいは調べてから使うようにしましょう.よくわからない場合は,12AU7またはECC82(12AU7の欧州型番)という品名以外には手を出さないのが安全です.

【とりあえず一旦おわり】

 

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真空管プリアンプキット [TU-8500]

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エレキットのプリアンプTU-8500を作る 【その4】

完成して正常動作したのですが,よく聴くと,音像がわずかに右に寄っていました.どうやら,今回使ったLinkmanのボリュームRD925Gの特性差によるもののようです.
そこで,ボリュームに補正抵抗を付けて回避することにしました.

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回路的にはこうです.レベル(音量)の低い側のボリューム回路に,図のように補正抵抗を入れて,分圧比を補正します.

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TU-8500の基板には,EXT VRという,外部ボリューム?を使う場合のパターンがあります.このパターン穴は,ボリュームと完全に並列になっていますから,ここに補正抵抗を付ければうまくいくはずです.写真は,Lチャネル側に補正抵抗を入れたところです.おおまかな計算であたりをつけて,実際に出力レベルが合う値を実装しました.今回は1MΩにしました.
ほとんどの場合,800KΩ~1MΩくらいで補正できると思います.

【つづく】

 

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真空管プリアンプキット [TU-8500]

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エレキットのプリアンプTU-8500を作る 【その3】

基板が完成したら,あとは筺体に組み付けるだけです.組立説明書にはないちょっとした小技を紹介します.

 

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入力セレクターのツマミ位置は,穴が開いています.このままでもそれなりにいいのですが,ちょっと飾りを付けてみました.

 

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今回使ったのは,八幡ねじの「足割りリベット」No-1です.東急ハンズAmazonで買えます.6本入りで¥100くらいです.

 

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こんな格好をしています.軸部分の直径はΦ1.8mm弱で,TU-8500のパネルの穴にぴったり合います.

 

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表から挿しこむと,こんな感じに仕上がります.

 

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裏面はこう.足を割って,抜けないように固定します.このとき,マイナスドライバの先などを使って,できるだけ根元から曲げるようにして,しっかり固定します.

 

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基板を筺体に取り付けたら,電源トランスからの配線をします.組立説明書には記述がありませんが,通常は交流電流の流れるケーブルは写真のようによく捩っておきます.こうすることで,周囲の回路へのケーブルからの電磁界の影響を少なくすることができます.あまり強く捩りすぎると,ケーブルを傷めたり,トランスやコネクタの接合部からもげてしまうことがありますから,ほどほどに処理するようにしましょう.

 

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スイッチ基板への配線(灰色のケーブル)も,同様に捩ります.組立説明書では,基板側にはわせるように指定があります.しかしその部分はちょうど高圧電源のリップルフィルタ回路です.ここに交流の流れるケーブルを近付けることは,ノイズの面であまり得策ではありません.写真のように,基板とは反対側のトランスの隅をはわせるほうがよいと思います.

 

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組み付けを完了すると,こんな感じです.カバーをかぶせる前に,この状態で動作テストをするほうがいいでしょう.ただし,内部は高電圧の箇所もありますから,扱いにはくれぐれも注意が必要です.中をさわるときは,電源スイッチを切り,電源コードも抜いてからさわりましょう.

【つづく】

 

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八幡ねじ 足割 リベット NO.1

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真空管プリアンプキット [TU-8500]

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エレキットのプリアンプTU-8500を作る 【その2】

基板の準備ができたら,組立説明書に従って部品を実装(はんだ付け)していきます.基板に部品を取り付ける場合,背の低い部品から順につけていくのが定石です.
似た部品が多いので,慣れてない場合は判別に十分に注意する必要があります.まれに,抵抗やコンデンサの値をまったく無視して取りつけて,動かないとサポートに持ち込む人もいるそうです(こわいw).

 

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部品はどれも細かいので,なくさないように注意します.缶のふたなどをお皿代わりに利用するとよいです.時に静電気に弱い部品の場合もあるので,プラスチック製は避けるほうがいいでしょう.

 

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回路はよく考えられていて,なるべく少ない種類の値で,かつユニークな値で判別しやすいようになっているようです.それでもこの写真のように,3.3KΩ(上)と33KΩ(下)などは,慣れていても見間違いをしそうです.

 

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少しでも不安があれば,テスターで測って使うのがよいでしょう.

 

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基板の抵抗取り付け箇所は,すべて同じ幅になっています.あらかじめ専用ツールで足を曲げておくと,実装しやすく,見た目もきれいに仕上がります.サンハヤトのリードベンダーRB5などを持っていれば,10mmで曲げるとちょうど基板の穴にはまります.

 

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抵抗には極性がありません.しかし,向きをそろえて取り付けると見た目もきれいですし,後のチェックもしやすいです.

 

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ICソケットを少し良い物(左)に変えてみました.何度も抜き差しして音質の変化を楽しもうとするのであれば,キット附属の物(右)のほうが扱い易いかもしれません.

 

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ボリュームも変えてみました.キット附属のものは,アルプスのもの(RK09L?)です.TU-870の頃から,エレキットの定番です.
今回は,LinkmanのRD925G(左)にしてみました.これまで交換した経験では,アルプスの物に比べて,高域の伸びややわらかな音色が得られるようです.
アルプスの物より少し軸が短いですが,問題なく使用できます.

 

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カップリング・コンデンサ(C11,C12,C15,C16)は,音質に大きく影響する部品で,組立説明書にも交換して楽しもうと記載してあります.きっとやりたくなるにきまっていますから,直接コンデンサをはんだ付けせずにソケットにしてみました.
音質上は勧められる方法ではないので,遊びたい人向けの方法です.
ピンソケットはΦ1.5mm(直径1.5mm)なので,ドリルで少しだけ穴を広げます.

 

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ソケットを実装して,附属のコンデンサを取り付けたところです.

 

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もうひとつ,イコライザ回路に使うOPアンプも変えてみました.キット附属のものはJRCのNJM2068(上側)です.今回はバーブラウンのOPA2227Pにしてみました.実際に使ったのはOPA2227PAです.PとPAは,出力のオフセット電圧が違います.PはPAの選別品のようで,値段も1.5倍ほどします.とことんこだわる向きには,P品を投入するのもありかもしれません.

 

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部品をすべて取り付け終わったら,付け忘れがないか目視でよく確認しましょう.実はこの写真撮影時,ひとつ実装し忘れがあります(笑).
基板からは発見しにくいので,部品を出したお皿(缶のふた)に,余っている部品がないかをチェックするほうがよいかもしれません

【つづく】

 

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真空管プリアンプキット [TU-8500]

真空管プリアンプキット [TU-8500]

 

 

 

 

 

エレキットのプリアンプTU-8500を作る 【その1】

エレキットから,かなり本格的な管球プリアンプTU-8500が発売されました.レコードプレーヤ用のイコライザまで搭載しています.

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往年の名機TU-870(6BM8使用のステレオアンプキット)時代から変わらぬパッケージデザイン.とても頑丈な段ボール箱で梱包してあります.

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開梱すると,一番上に基板や組み立て説明書が入っています.開梱時にカッターなど使うときは,内部を傷つけないよう十分に注意しましょう.他のパーツの多くは代替えが効きますが,この基板はエレキットの補修パーツリストにもみあたらないので,再入手は難しそうです.

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一番底に,筺体(ケース)が入っています.鉄製でしっかりとした塗装がなされています.指紋なども目立ちにくく,とても扱いやすそうです.なにより,このずっしり感に期待が膨らみます.

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附属の真空管12AU7です.中国製のようですが,メーカー名もなく,シンプルです.内部は3枚マイカ構造で,振動には強そうです.一見して音質に期待できなそうな見た目ではありますが,はたしてどうでしょうか.

ひととおり内容物を確認したら,組立説明書にしたがって少しずつ組み立てます.かなり部品点数が多いので,指定の組み立て順をよく守るのがよいでしょう.

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まず最初は基板を準備します.内部は5種類の基板を組み合わせる構造です.これら5種類の基板は,最初は1枚の状態になっていますから,切り離しが必要です.組立説明書では机の縁を使って折るように指示されています.その前に,写真のように大型のカッターで切れ目を付けておくと確実にミシン目で折ることができます.

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基板を切り離すと,写真のようにミシン目の残骸が残ります.このままでも組立はできますが,できるだけヤスリなどできれいに処理しておくほうがよいです.作業中にひっかけると,思わぬ怪我をしたりします(基板の素材はガラス繊維と樹脂です).それに,出来上がりがきれいでないと,いまひとついい音がしなさそうに見えてしまいます.

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大型の平たいヤスリが作業しやすいです.削りすぎや,力を入れ過ぎてパターンを傷つけてしまわないよう,慎重に作業しましょう.

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基板を準備できました.次に,順番に電子部品をはんだ付けしていきます.
【つづく】

 

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真空管プリアンプキット [TU-8500]

真空管プリアンプキット [TU-8500]

 

 




ローテクな防御

21世紀になって,もっとも評判を落とした身近な生物は「鳩」だろう.もともと糞害などで嫌われ傾向にあったが,まさか本人(本鳥)たちに直接関係のないことで社会害の代名詞にされてしまうとは,種族の不幸を思い計って余りある.

がしかし,現実に糞害は困るのであり,なんとか対策したい.

 

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鳩は体内に方位磁石を持っていて,それが影響を受けるような強力な磁力を嫌うという噂があった.そこでベランダの手すりにネオジム磁石を設置して経過観察を実施した.しかし,あろうことか,わざわざ磁石周辺に糞尿を残されるなど,惨敗の結果に終わった.

そこで,目に見えない磁力などではなく,もっと直接的な手段を投入してみることにした.それがこれ.

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基本的には,猫よけグッズらしい.一応,犬や鳥にも使用できると書かれているが,本当に効果が評価されているとは思えない(笑).

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てすりに設置するので,半分に切断した.あとはこれをどう固定するかが問題だ.

f:id:Tachi_4423:20150307160850j:plain  一番使えそうに思ったのはこれ,ケーブルフック.裏面が粘着テープになっていて,通常は電線を全面のフック部を曲げて,完全に固定できる.

ただ,ベランダのてすりは吹き付け塗装で,表面がでこぼこ.このフックの粘着力では,とうてい長持ちしそうにない.

 

 

 

 

f:id:Tachi_4423:20150307161308j:plainしかしここで,惨敗と思われた第一次実験から,思わぬ成果を利用することができた.ネオジム磁石は,強力なスポンジタイプの両面テープで固定していたのだけど,これがおよそ半年の風雨風雪に完全に耐え,はがすのに苦労するほどだったのだ.

 

 

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そこで,フックの粘着面をこの両面テープで補強して使うことにした.

 

 

 

 

f:id:Tachi_4423:20150307161752j:plainこんなふうに,猫よけトゲを固定.

 

 

 

 

かくして,第二次防御態勢は整った.はたして,効果はあるのか.いま一番心配なことは,蜘蛛が絶好の巣作り場所にしてしまうのではということだが..結果はまたいずれ.

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