Tachi technical blog

工作とか技術関連の話題を書いていきます

光る真空管陳列台を作る

ダイソーでコレクションケースというのを見つけたので,休眠してる真空管の陳列ケースを作ってみた.

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買ったのはこんなの,写真ではわかりにくいけど,中は前後2段のひな壇になってる.

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ミニチュア菅だと,直径13mmの穴をあけるとちょうどいい.格段4個ずつ,合計8個並べられるようにしてみた.

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下からLEDでライトアップするための基板を作成.ユニバーサル基板を,ちょうどケースの底にはまるサイズに切断.

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そのままだと真空管の足が当たってしまうので,切れ端をはりつけてスペースを稼ぐ.

f:id:Tachi_4423:20150524163429j:plainケースの底には,こんなふうにはめこむ.表面実装部品を使うので,はんだ面をケース側に向ける.

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基板を仮はめしたところで,真空管の真下中央になる位置にフェルトペンでマーク.ここにLEDを取りつける.

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本当は電源も内蔵できるといいのだけど,今回はむりせずに外部電源とすることに.そのためのコネクタを基板に付け.使ったのはブレッドボード用のDCコネクタ.ユニバーサル基板を加工せずに使えるので便利.

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ケースにも電源コネクタにアクセスするための穴をあける.位置合わせがちょっとむずい.

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フェルトペンでマークしたところに,表面実装LEDと電流制限抵抗(チップ部品)をつけて,電源を配線.使ったLEDはオレンジのHSML-A101-S00J1という型番のもの(秋月).抵抗は180Ω.だいたいLED1個あたり5mA流す計算.
配線が完了したら,電池(3V)をつないでテスト.いいぐあいの明るさだった.

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【完成】
ケースにくみつけて,真空菅をならべて完成.下の段のほうがLEDに近いので明るいです.明度としては,上の段のほうがほのかな感じでいいです.下段側は抵抗をもう少し大きくしてもいいかも.LEDの色目はばっちりでした.

 

 

 

TU-8500にオイルコンデンサを投入してみる

オイルコンデンサというコンデンサがあります.オイルを染ませた紙を誘電体に使ったコンデンサです.日本では,オイルペーパコンデンサともいいますが,英語ではPapar in Oil Capacitor,通称PIOキャパシタと呼ぶようです.

音質に優れるようなので試してみたいところですが,かなり高価です.そんな中,旧ソ連で軍用に作られていたストックなら,廉価に入手することができます.

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入手したのは,K40Y-9という製品の0.47uF/200Vです.ガラスで封入して金属ケースで覆った,とても頑丈そうなコンデンサです.

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長年倉庫で眠っていた製品なので,よくチェックします.最初はショートしていないかのテスト.マルチメータの抵抗モードで調べます.この写真の表示は,測定限界以上の抵抗値であることを示しています.(数十MΩ以上)

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次に容量チェック.どちらもほぼ0.45uFと定格値どおりでよく揃っていました.(定格値は0.47uF±10%)

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最後に,外側の電極がどちらの端子かあたりをつけます.
コンデンサの両端をオシロスコープにつないで,コンデンサを手で持ちます.GNDとプローブをつなぎ換えて,電圧の大きいつなぎ方のときに,プローブ側の端子が外側の電極である可能性が高いと思います.
実装時は,外側の電極につながった端子を,電圧の低い側に使います.

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とりあえず実験なので,ソケットを実装したTU-8500にささるように,このようなアダプタ形状にしてみました.

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TU-8500に取り付けたところです.

オイルコンデンサは,エージングに100時間ほどかかると言われています.
装着直後は,音ががさついて,女性ボーカルがひずみっぽく聴こえる場面もありました.10時間ほど鳴らしこむと,それらの現象はなくなり,まずまず滑らかな音になりました.さて,このあとどのように音質が変わっていくでしょうか.楽しみです.

 

TU-8500に手を加える

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慣らし運転も終わったようで,音質は安定してきました.
真空管は,Sylvaniaの5814AとGEの5963の一騎打ち状態.どちらも実力は拮抗.5814Aはワンピースの色白美人.5963はスキニージーンズの似合う素敵なお姉さんという感じでしょうか.さっぱりわからないですよね(笑).

 

さてこのTU-8500,ちょっと気になることがありました.鉄製のとてもよくできた筺体ですが,カバーがやや弱いのです.スイッチを入れると,安っぽくカーンと響いてしまいます.これは音質にもよくなさそうなので,対策してみました.

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使ったのは,オトナシートというべたべたな名前の(失礼)防音シートです.これはすぐれもので,自作PCなど振動騒音にとても効果があります.

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カバーの裏にこんなふうに貼ってみました.貼る前は,カバーを持って指ではじくと,チーンといういやな響きを立てていましたが,貼った後はコツンという感じです.こんなに大きく貼りましたが,もっと小さくてもよかったかも.音質も,おちつきが増した気がします.

一応不燃だと思いますが,TU-8500はそこそこ熱をもちますので,使用にあたってはそれなりの注意が必要と思います.

 

オトナシート,私はハンズで買いましたが,Amazonにもあるようです.

日本特殊塗料 防音一番オトナシート(5枚入り)

日本特殊塗料 防音一番オトナシート(5枚入り)

 

108円で無線LANの飛距離を伸ばす

バッファロー無線LAN中継器WEX-733Dが不調.

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突然動作を停止.しばらく休ませて電源再投入すると復活するも,1週間くらいで再発というのが,もう3ターン続いている.購入して約半年.こういうのはどうせ修理に出しても,再現しませんで挿し戻されるのが関の山.所詮はメルコかと毒づきながら,次善の策を考えてみた.

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100均一にてこれを購入.あく取りである.これで,小さなパラボラ反射器を作って設置してみようと.

 

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柄の部分をちょいと曲げて,無線ルータの上部に設置.はたして効果はあるのか!?

 

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パラボラ設置前.奥の寝室では-70dBm. (Nexus7(2013)+Wifi Analyzer)

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設置後.おお!-60dBmと,10dBmも改善してる.

なによりこの方法,中継器とちがってランニングコストがかからないのがいい.しばらくこの状態で運用してみる.

 

エレキットのプリアンプTU-8500を作る 【その5】

本来は十分に慣らし運転をしてからやるべきなのですが,待ち切れず(笑),半日(5時間)ほど動かした状態で,真空管の聴き比べをしてみました.とりあえず手持ち分だけです.

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まずは附属の中国製12AU7.見た目の第一印象はいまいちだったのですが,しごくまっとうな音がしました.ノイズも少なくて優秀です.(聴感の)周波数レンジ感は狭めです.穏やか~に音楽を聴くには,これはこれでよさそうです.

 

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GEの5963です.12AU7と互換ですが,プレート電圧の制限があります.TU-8500の回路であれば,まったく問題ありません.
附属12au7からこれに変えると,いきなり高域がぐんと伸びて驚きます.やや腰高感があるものの,きれいな音色に魅了されます.ただ,エージング不足のせいか,少し聴き疲れするような気もしました.いつか時間をかけて再チャレンジします.

 

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秘蔵(笑),RCAのブラックプレート12AU7です.SV-192Sという管球DAコンバータに使ってとてもよかったので期待大でしたが,今回もそれは裏切られることはありませんでした.笑っちゃうくらいいい音です.
ただ,残念なことに1本がノイズ品.泣く泣く今回は見送りました.

 

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最後はシルバニアの5814Aです.これは12AU7の高信頼管です.
低域がやや緩い気もしなくはないですが,RCAの12AU7に負けないくらい,透明感あるいい音がします.ということで,今はこれを使っています.

 

【交換時の注意】
海外のレビューなどでは,5965Aがよい音と評価しているサイトもあります.この5965Aは12AU7ではなく12AT7に近い真空管です.
たとえ電気的特性がどうであろうと,耳で聴いていい音であればよいというのは,ある意味真理ですが,どうしても無視できない問題があります.
5965Aは,定格でヒータ電流が225mA流れます.2本で450mAです.TU-8500の電源回路では,ヒーター電流のほとんどがR61という15Ωの抵抗を通ります.450mA流れたときの,R61の消費電力は,0.45x0.45x15=3Wに達します.通常,抵抗の許容電力は,実際の消費電力の2倍から3倍必要とされます.R61の許容電力は5Wですから,好ましい状況とは言えません.
ちなみに12AU7の場合は2本で300mAですから,0.3x0.3x15=1.35Wであり,まったく問題がありません.上で書いた5814Aは,定格では2本で350mA流れますが,TU-8500の回路では300mAしか流れないので,大丈夫です.

真空管を交換する場合は,ネットに散在する情報をうのみにせず,少なくともデータシートでヒータの消費電流くらいは調べてから使うようにしましょう.よくわからない場合は,12AU7またはECC82(12AU7の欧州型番)という品名以外には手を出さないのが安全です.

【とりあえず一旦おわり】

 

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真空管プリアンプキット [TU-8500]

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エレキットのプリアンプTU-8500を作る 【その4】

完成して正常動作したのですが,よく聴くと,音像がわずかに右に寄っていました.どうやら,今回使ったLinkmanのボリュームRD925Gの特性差によるもののようです.
そこで,ボリュームに補正抵抗を付けて回避することにしました.

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回路的にはこうです.レベル(音量)の低い側のボリューム回路に,図のように補正抵抗を入れて,分圧比を補正します.

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TU-8500の基板には,EXT VRという,外部ボリューム?を使う場合のパターンがあります.このパターン穴は,ボリュームと完全に並列になっていますから,ここに補正抵抗を付ければうまくいくはずです.写真は,Lチャネル側に補正抵抗を入れたところです.おおまかな計算であたりをつけて,実際に出力レベルが合う値を実装しました.今回は1MΩにしました.
ほとんどの場合,800KΩ~1MΩくらいで補正できると思います.

【つづく】

 

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真空管プリアンプキット [TU-8500]

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エレキットのプリアンプTU-8500を作る 【その3】

基板が完成したら,あとは筺体に組み付けるだけです.組立説明書にはないちょっとした小技を紹介します.

 

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入力セレクターのツマミ位置は,穴が開いています.このままでもそれなりにいいのですが,ちょっと飾りを付けてみました.

 

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今回使ったのは,八幡ねじの「足割りリベット」No-1です.東急ハンズAmazonで買えます.6本入りで¥100くらいです.

 

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こんな格好をしています.軸部分の直径はΦ1.8mm弱で,TU-8500のパネルの穴にぴったり合います.

 

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表から挿しこむと,こんな感じに仕上がります.

 

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裏面はこう.足を割って,抜けないように固定します.このとき,マイナスドライバの先などを使って,できるだけ根元から曲げるようにして,しっかり固定します.

 

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基板を筺体に取り付けたら,電源トランスからの配線をします.組立説明書には記述がありませんが,通常は交流電流の流れるケーブルは写真のようによく捩っておきます.こうすることで,周囲の回路へのケーブルからの電磁界の影響を少なくすることができます.あまり強く捩りすぎると,ケーブルを傷めたり,トランスやコネクタの接合部からもげてしまうことがありますから,ほどほどに処理するようにしましょう.

 

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スイッチ基板への配線(灰色のケーブル)も,同様に捩ります.組立説明書では,基板側にはわせるように指定があります.しかしその部分はちょうど高圧電源のリップルフィルタ回路です.ここに交流の流れるケーブルを近付けることは,ノイズの面であまり得策ではありません.写真のように,基板とは反対側のトランスの隅をはわせるほうがよいと思います.

 

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組み付けを完了すると,こんな感じです.カバーをかぶせる前に,この状態で動作テストをするほうがいいでしょう.ただし,内部は高電圧の箇所もありますから,扱いにはくれぐれも注意が必要です.中をさわるときは,電源スイッチを切り,電源コードも抜いてからさわりましょう.

【つづく】

 

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八幡ねじ 足割 リベット NO.1

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真空管プリアンプキット [TU-8500]

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